皆さんは蟹を召し上がるだろうか。アレルギー等ある方は別として、著者も含めて贅沢なご馳走だと思っている方も多いのではないだろうか。旅行会社などの食べ放題企画に率先して参加したものだった。さて、蟹と言っても様々な種類がいる。特に高価で、美味である蟹は「ズワイガニ」や「タラバガニ」だと著者は認識している。では、この蟹たちのほとんどは何処からやって来るのか。それは詳しい方はご存知だと思うが、あの恐ろしく荒れ狂う「ベーリング海」である。

【驚きの報酬】 ベーリング海の死闘photo by: CSM Photos’ Blog Southeast, Alaska Red King Crab

ベーリング海(ベーリングかい、Bering Sea)は、カムチャツカ半島とチュコト半島、スワード半島、アラスカ本土、アラスカ半島、アリューシャン列島に囲まれた太平洋最北部の海。サケやカニなどの好漁場として知られているが、波は荒々しく、日本近海と同じく難破・遭難などが多い、危険な海である。
出典: wikipeda

【驚きの報酬】 ベーリング海の死闘photo by: CSM Photos’ Blog Southeast, Alaska Red King Crab

このベーリング海で繰り広げられる男たちの戦いがある。「タラバガニ」「ズワイガニ」を求め、大男たちが命の危険を冒してまで、さらに命を落としながらも蟹漁に執念を燃やす。その理由は、ただ一つ、膨大な報酬である。冬の時期にわずか数週間の漁で漁船1隻につき億単位の報酬が手に入るからだ。末端の労働者に行き渡る報酬も半端な額ではない。一人の労働者に対して最低1000万円以上、多い者は1500万円以上の報酬を得る。蟹漁を行えるシーズンのわずか2カ月程度で労働者たちは夢にまで見る大金を手に入れることができる。

【驚きの報酬】 ベーリング海の死闘photo by: CSM Photos’ Blog Southeast, Alaska Red King Crab

しかし、このような高額な報酬を手にすることを夢見る多くの労働者は、夢のまま終わることになる。まず第一の理由に、命を落とす確率が格段に高くなることが挙げられる。実際に蟹漁に行ってみないとピンと来ないかもしれないが、実際に一攫千金を夢見て蟹漁に出かけた屈強な男たちでさえ、漁船に乗る前にあまりの過酷さや身の危険を感じ、諦めて帰途についてしまうほどである。具体的には、毎年のように、何件もの海難事故が荒れ狂うベーリング海で起こっている。実際あのディスカバリーチャンネルでも取り上げられシリーズ化もしたドキメンタリー番組「ベーリング海の一攫千金」で著者も映像をみたことがあるが、実際に労働者が海に投げ出される場面を何回も目撃している。さらに

気温は氷点下を上回ることはなし、波しぶきが始終船にかかるが、それが着氷となり、そのまま放置しておくと船自体が雪だるまになって、トップヘビーとなって重心のバランスがくずれて、転覆事故につながる。
出典: 海を住く者

対処法は、凍り付く前に防水シートを被せることだが、極寒の荒れ狂うベーリング海で、この作業を行うことがいかに危険である想像できるであろう。実際、作業中に海に投げ出されそのまま帰らぬ人になったという事例も数多い。労働者も屈強なだけでなく、やることすべてが豪快だ。指を数本無くすことは当たり前で、もちろん医者などいない船内で数カ月過ごすのである。万が一の場合も、治療は自己流となり命の保証はない。

【驚きの報酬】 ベーリング海の死闘photo by: CSM Photos’ Blog Southeast, Alaska Red King Crab

そして第二の理由に、恐ろしいほど体力が必要となることだろう。

1つ500キロもある鉄製の籠を200個近くも船に乗せ(バランスよく載せないと、着氷同様に船がバランスを崩して簡単に転覆する)、海流や海底地形、水温などからカニが集まる場所を検討(船長の腕のみせどころ)し、決定したら、1籠ずつぶつ切りにした魚のエサをつけては海中に投入する。カニ籠を引き上げる際には30時間以上連続で不眠不休で働く姿は、まるでゾンビのようだが、丸一日以上、寝ずに動き続けなければ作業が終わらない。
出典: 海を住く者

その為、労働者たちは僅かな休憩時間を利用し、一日に必要な消費カロリー(一般的な成人男性の1日に必要な摂取カロリーは2000キロカロリー前後と言われている中、彼らは6000キロカロリー以上のエネルギーを必要とする)を補給して、戦場へと向かっていく。

【驚きの報酬】 ベーリング海の死闘photo by: CSM Photos’ Blog Southeast, Alaska Red King Crab

皆さんはどう思われただろうか。今でも高額な報酬を求め、多くの労働者が仕事を希望し、人員不足になるようなことはないという。家族・自分自身の為に、一攫千金を夢みて太く短く生きるか、安全な仕事をして細く長く生きるか。著者も含め、決めるのは自分自身である。

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